【読書感想】『ビジネスパーソンのための 結婚を後悔しない50のリスト』を読みました
ビジネスパーソンのための 結婚を後悔しない50のリスト 大塚 寿/著
私は現在独身ですが、【幸福】と人生の満足感を考えると、結婚を意識した方がいいと思い購入しました。(結婚することにより寿命や人生の幸福度は上がることが知られています。)
まだしっかりとした相手がいるわけでもなく、結婚の予定も特にないのですが、後学のために新しいジャンルに興味を持つように、ちょっと違ったものを読むようにしています。
本書の感想としては【結婚は家庭のマネジメント】といった認識を持つようになりました。会社のマネジメント、チームのマネジメントと同じような感覚で、夫婦で家庭の共同経営者になることが、結婚後に苦労しないために必要な感覚だと感じました。
今まで結婚は【感情】や【愛】のような側面が強いものだと認識がありました。もちろんそれも大事なのですが、うまく戦略を立てることができれば【会社経営】【起業】に近い感覚で進められるようなものなのでしょう。
自分が実際に経験していないことなので、実感もわかない部分もあります。家庭に長期間向き合い続けることがとても大事で、その【覚悟】と【見えない資産(感情や体験)】などの管理【情報のすり合わせ】など、様々な長期戦略が良い結婚生活には必要だと認識できました。
本書の重要だと思った箇所の抜粋
結婚が人生を左右する理由
なぜ、結婚は人生最大の別れ道なのか
結婚は、良い意味でも悪い意味でも生活基盤を揺るがすもので、どのような結婚をするかによって、時間やお金の使い方、人付き合い、物の見方その後の人生計画も大きく変わってくるのです。
結婚で変わることは、「個人」で生きてきた人生から「チーム」で生きることです。自分以外の他者とどう向き合うべきか、いかに予測不能な出来事をマネジメントできるかが、人生を分けるといってもいいでしょう。
日常生活の連続から生まれる「チリツモ」
結婚を後悔しているという人たちに多いフレーズは【チリツモ(塵も積もれば山となる)】です。
家事の分担、金銭感覚の違い、子育て哲学の違い、お風呂の入り方、タオルの使い方、挨拶、返事の仕方までが夫婦関係をギスギスさせ、マイナス評価の【チリツモ】がたまりにたまって離婚に至るケースが多く、たった一つの出来事で離婚に至るケースは少ないようです。
結婚は日常生活そのものだからこそ、生き方そのものを問われ、そしてさらにはその適否さえもが、フィードバックされるというものだから大変なのです。
結婚は修正主義から始まる
自分と異なる考え方や習慣を受け入れる余地があるか、相手との齟齬を自分の変化の原動力とできるかどうかが分かれ道です。お互いの向いているベクトルを繰り返し合わせ続ける努力と工夫が必要なのです。それは【無限のベクトル合わせ】【修正主義】だと言えます。
他者と向き合うというのは時に自分を否定することになるのでとても大変です。しかし、お互いが【修正主義】の立場を取らない限り、うまくいく結婚などはあり得ないのです。
結婚は夫婦による【共同経営】である
結婚は幸せな家庭を作るという【事業】という発想が必要です。単に好き嫌いでは家庭は経営できません。
経営をしていくうえで大小さまざまな問題が起こります。問題が起こるたびに夫婦間で無限のベクトル合わせをして、問題を解決していきます。これは【事業】の発想と同じで、ステークホルダー(利害関係者)間で問題を解決するようなものです。
そして家庭であっても事業であっても、無限のベクトル合わせをやめてしまえば破綻してしまいます。
そして、これが【共同経営】というのも難しいところでしょう。男には男の、女には女の役割があるとは言え、家事や育児の分担を巡ってぶつかり始めたときに、どちらかが一方的に言い分を通そうとすると、相手には言いくるめられた感が増幅し、憎悪に変換してしまうかもしれません。
お互い歩み寄って感情や意思を言葉で伝えるコミュニケーション能力、お互いのベクトルを調整するマネジメント能力を用いて、結婚という【事業】を成功させようという発想こそ必要なのです。
結婚で何より大切にしたいこと
仕事ばかりしなければよかった
仕事を一生懸命にするのは結構ですが、仕事後に家庭のことは一切やる余裕がないという人が多いです。
どれだけ仕事が忙しくても優先順位の1位に【仕事だけ】をもってきてはいけません。家庭と仕事に優先順位をつけると必ず仕事を【言い訳】にしてしまいます。
家庭行事や育児に関することも「仕事が忙しいから」とできない【言い訳】を用意してしまいます。この解決のためにも、意識の中で家庭と仕事の2つを同列に考えるクセをつける必要があります。
忙しいビジネスマンであっても家庭と仕事のバランスがうまくいっている人は【仕事だけ】にならないように、仮に毎日でなくとも、必ず週一とか隔週とか比較的短いピッチで、定期的に家族と向き合う習慣を作っています。
どれだけ平日が忙しくても、週末は家族と向き合うことで、夫婦間の不満の【チリツモ】は著しく解消されます。夫婦がお互いの状況を理解しながら調整していけば、どんな人でも必ずその時間は作れるのです。
相手の価値観をもっと理解しておけばよかった
交際の段階で性格の合う、合わないはある程度明らかになりますから、結婚を決断した以上は性格の一致不一致はクリアしているはずです。しかし結婚後に「こんなはずじゃなかった」と後悔に至る理由は【相手の価値観の理解不足】によるものです。
仕事観、教育哲学、モラルに関しては価値観が一致するけれど金銭感覚が合わないといったように各カテゴリーにおいて一致するものとしないものがあるはずです。その一致していない価値観を相手に押し付けてはいけません。
自分の価値観や常識を一方的に押し付けてしまったことで、相手にはストレスが溜まってある時点で臨界点を超えて爆発するというのがお約束の破局パターンです。
相談や対話などで日々【無限のベクトル合わせ】をしていくことで価値観のずれを修正していくことが必要なのです。
幸せな家庭を作るために知っておきたいこと
結婚して自由がなくなった
未婚者にとってはお金も時間も自由でなくなるのが結婚ととらえているようです。
しかし、一方で自由というものは失ってはじめてその価値がわかるものです。「自由とはなるものではなく、感じるもの」なのです。束縛から解放されたときの短い時間があるからこそ、自由のありがたみ感じることができます。
その視点を持つことによって小さな自由や開放感を味わう感性や、感度が磨かれ、より深く自由を楽しむことができるようになるはずです。
面倒くさがらずに、記念日などを祝えばよかった
家庭生活を上手に【マネジメント】できる人は毎日ではなくとも、定期的に家族との時間を取るようにしています。結婚の濃さを共有するためには【企画力】が重要です。この【企画力】というものは新しいことに挑戦しなければならず、【面倒くささ】というものがつきものです。
しかし【面倒くささ】に向き合い、お互いが企画することに前むきであれば結婚生活も常に進化する方向へ進めます。常に新しいことに挑戦して、心からワクワクできますし、イベントを通じて夫婦間の心の距離も家庭内のコミュニケーションも活性化するはずです。
子供のの教育方針もついて意見が合わなかった
子育ては結婚における第2フェーズです。夫婦間の問題にさらに育児が加わることで、これまでの溝がさらに開いてしまうことになったり、逆に絆が深まるという両極端の結果を子育てはもたらします。
教育方針として子供の【叱り方】に問題があることが多いです。これは夫婦間の【叱り方】の相違点が関係しています。
夫婦間の意見の相違を子供に見せてはいけないというところが大切です。どちらかの【叱り方】の意見をどちらかが否定をすると、子どもは混乱し、必ず都合のいい意見を取るようになってしまいます。
親は子供の前ではどちらかの意見を否定せず、必ず子供のいないところで事前に意見のすり合わせをしておく必要があるのです。意見のすり合わせは非常に難しいものですが、どう育てたいかという内容以上に子供が親の言うことを聞かなくなるという状況を作りださないことがコツです。