【読書感想】『極める 愉しむ 珈琲事典』を読みました
自分は今まで、コーヒーをなんとなく、おいしいから、カフェイン接種眠気防止のために飲むことが多かったです。しかし、テレワークでおうち時間が増えたことによりインスタントコーヒーや缶コーヒーをやめて、粉のドリップ、さらにはミルで挽いて飲むようになったのです。
最近は食事にこだわりを持ったり、生活のあらゆるところを深堀りしてきました。これら本でより深い知識を求めた結果でもあります。
インスタントや缶コーヒーを購入する方が手軽ではありますが、コーヒーは【プロセス】を楽しむものでもあるなと思います。ただ飲むというところを特にコーヒーは淹れ方、挽き方、豆の種類など楽しみ方がたくさんあります。
コーヒータイムをよりリラックスのできるものにするために、これらの【プロセス】を楽しみたいです。
本書はコーヒーに関して初心者がわかりやすく理解するための知識が書かれています。コーヒー豆の【栽培方法】【精製方法】【焙煎方法】【挽き方】【淹れ方】【アレンジ】【歴史】などです。それぞれしっかりと写真付きで書かれているのでイメージがしやすいです。初心者向けですがコーヒーをこれからより深く楽しみたい方は読んでみてください。
【コーヒー豆の種類】
コーヒー豆とは何か
コーヒー豆とは豆と呼ばれていますが【コーヒーノキ】という植物で、コーヒー豆になるのは【コーヒーチェリー】と呼ばれる実の中にある種子になります。
コーヒー豆の品種
世界で流通しているコーヒー豆の約7割が【アラビカ種】約2割強が【カネフォラ種】残りが【リベリカ種】これら3つをコーヒー3原種と呼びます。
- アラビカ種……豊かな香りと酸味が味わえる
- カネフォラ種……苦みが強くカフェインが多い。
- リベリカ種……苦みが強く、主にヨーロッパで消費される
代表的なコーヒー豆の銘柄
- 【ブラジル】酸甘苦のバランスNo1
酸甘苦のバランスNo1、好みがわからない人は、まずはバランス重視のブラジルを試そう。 - 【ブルーマウンテン】まさにバランス重視の代表格
酸味、甘味、苦みをバランスよく持っていて、上品な味わいで飲みやすいと言われています。 - 【コロンビア】コク代表
力強いコクと程よい酸味、マイルドな甘みを感じられます。バランスの良いコーヒーでブレンドのベースに使われることが多い。 - 【キリマンジャロ】酸味の代表
酸味の代表として語られることが多い。甘酸っぱい香りとフルーティな酸味が特徴です。 - 【グアテマラ】甘味の代表
甘い香りが特徴で程よいコクが感じられる。キレのいい後味が華やかな印象を与えます。 - 【マンデリン】苦味の代表
深いコクと苦みがあり、パンチの強い濃厚な味わいはエキゾチックな味とも表現されます。 - 【モカマタリ】フルーティな味わい
フルーティな酸味と華やかな香りがあり、酸味の中にはほのかな甘みを感じる。苦みはあまりありません。 - 【ハワイコナ】柔らかな酸味と気品を感じさせる
苦みは少なく、柔らかな酸味と、甘い香りで飲み口はさわやか。生産量が少なく希少価値がある。
【焙煎の種類】
コーヒー豆は、生豆に加える熱の量で色や香味が変化します。この段階を焙煎度合いと呼びます。焙煎が弱い【浅煎り】焙煎がすすむにつれて【中煎り】【深煎り】となっていきます。
一般的には焙煎が進むにつれて、酸味が強いものから苦みが強いものに代わっていく特徴があります。
- 【浅煎り】ライトロースト・シナモンロースト
コーヒーらしい香りが出始めた状態ですが飲むには不向きな状態です。
- 【中煎り】ミディアムロースト
浅煎りで飲み物として用いられるのは通常このあたりから。豆本来の味や香りを生かしたいときに用いられます。
<適した銘柄>モカ・キリマンジャロなど - 【中煎り】ハイロースト・シティロースト
ミディアムローストよりさらに焙煎した状態です。ミディアムローストと比べて香味が強くなり、抽出すると透明感のある液体の中に酸味とかすかなコクが感じられます。
<適した銘柄>ブラジル・コロンビアなど - 【深煎り】フルシティロースト・フレンチロースト・イタリアンロースト
しっかりとしたコクと柔らかな苦みが感じられます。中高産地の豆を選ぶと独特な風味が強調されます。
<適した銘柄>マンデリン・グアテマラなど
【豆の挽き方】
豆を挽く際はミルやグラインダーといった器具を使います。大きく分けると【粗挽き】【中挽き】【細挽き】とエスプレッソ用の【極細挽き】の4種類があります。使用する抽出器具に合った適正な挽き方をすることが大切です。
粒の大きさを粒度と言い、粒度が粗いほど成分が抽出されにくいので、コーヒーの濃度も落ちます。逆に言えばコーヒーの濃度は薄くなりますが、雑味も出にくいとも言えます。
- 【粗挽き】ザラメ糖程度の大きさ
抽出にある程度時間がかかります。フレンチプレスなど粉を湯につけて抽出する侵漬式にも向きます。苦みの成分が抑えられ、雑味も出にくいです。
<適した器具>ネルドリップ・フレンチプレスなど
- 【中挽き】グラニュー糖よりやや大きい
最も一般的な粒度で、苦みや酸味のバランスのとれた味わいになります。
<適した器具>ペーパードリップ・ネルドリップ・サイフォンなど - 【細挽き】グラニュー糖程度の大きさ
粒度が細かく湯に触れる表面積も大きいので成分が抽出されやすいです。濃厚な味わいになります。苦み系のコーヒーと相性がいいです。
<適した器具>ペーパードリップ・サイフォン・水出しなど - 【極細挽き】パウダー状
ほぼパウダー状で濃厚なコーヒーを抽出するのに最適です。エスプレッソマシンやマキネッタに使われます。家庭用のミルで挽くのは難しく、専用のミルが必要になります。
<適した器具>エスプレッソマシン・マキネッタなど
【抽出の方法】
コーヒーを抽出する際の原理は大きく【透過式】と【浸漬(しんし)式】に分けられ、おおよそどちらかに分類されます。【透過式】は、コーヒーかなに湯を通過させて成分を抽出する方法です。一方の【浸漬式】はコーヒー粉に湯を浸して成分を抽出する方法のことでこちらの方が簡単なので初心者でも安定した味になります。
- 【ペーパードリップ】透過式
日本で主流のペーパードリップは、ドリッパーにペーパー(紙)フィルターをセットして湯を注ぎコーヒーを抽出するスタイル。ペーパーフィルターがコーヒーの油分や雑味を吸収してくれるのでクリアな味わいになります。
初心者はまず、安定したドリップができるように豆や粉の量、湯量を一定にして練習するといいでしょう。その際、温度計や計測機器があると便利です。 - 【ネルドリップ】透過式
ネルという布のフィルターを使って抽出する方法。ペーパードリップと比べて目が粗いため、様々な成分が抽出されやすく、まろやかでコクのあるコーヒーになります。 - 【サイフォン】浸漬式
医療用品に着想を得て発明されたサイフォン。フラスコやアルコールランプなど化学の実験を思わせる器具は見た目も美しく、絵になります。高温かつ短時間で抽出するため、香りが良いコーヒーに仕上がるのも魅力です。 - 【フレンチプレス】浸漬式
フランスで開発され、主にヨーロッパで普及しています。粉を湯に浸して抽出するというシンプルな手法で誰が淹れても味のブレが少なく、初心者でも手軽に扱えるのが魅力です。金属フィルターを使用するため、ペーパードリップなどと異なり、コーヒーの油脂(コーヒーオイル)をしっかり抽出します。香り豊かで丸みのある味に仕上がります。 - 【マキネッタ】浸漬式
直火にかけて、下部のフラスコ内の湯を沸騰させることで蒸気圧が発生。押し上げられた湯が、粉を通って上部のポットへ移動し、コーヒーが抽出されます。火を止めるタイミングを音で判断するなど初心者にはやや難しい抽出方法です。マキネッタで淹れたコーヒーはモカコーヒーと呼ばれ、コクがありエスプレッソに近い濃厚な味わいに仕上がるのが特徴です。