【読書感想】『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける87の法則』を読みました
伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則 山口拓朗/著
アウトプット大全よりアウトプットするなら文章の本が読んだ方がいいと紹介されていたため購入しました。
【書く】ことは昨今LINEやSNSなど、コミュニケーションの方法として【話す】以上に主流になってきています。今後の時代を生き抜くためにも【思い通り】に文章を伝えたいですね。
本書を読んですごく感じたのは【絵】と【文章】が似ているということです。
相手に何かを伝えるという点で共通点があるからかもしれません。作り方や考え方は【絵】に通じる部分があります。(デザイナー目線として一応書いておきます。)
特に【相手の立場に立つこと】に共通点を感じています。
絵を描いていると集中しすぎて、見づらい絵になることが多いです。
【見る側の立場】に立てなくなっているということですね。
それと同じで、文章も【読み手の立場】に立てなくなることに注意すべき。と本書では書かれています。
『まったく別の分野の勉強をしても、学んだことは別の分野に活かすことができる。』と気付きを得ることができました。
重要と思った箇所の抜粋
文章を書く「準備」をしよう
・人は都合よく文章を解釈する
書き手と読み手の情報には【ずれ】が生じる。文章は読み手の自己解釈に依存しやすいため、【勝手な自己解釈をさせない文章】を作る必要がある。
例えば開始時刻のみを書いた文章を読み手は勝手に「開始時刻より後ならいつでもいいだろう」と解釈する。その解釈の可能性を消すには、開始時刻と期限を明確に書く必要ある。
・「読ませる相手を明確にする」「文章の目的」
誰がこの文章を読むのか【ターゲットが明確な文章】は伝わる力があり、ターゲットが文章に何を求めているのかをよく考えて書く必要がある。
伝わる文章は【文章の目的が明確】である。そして目的は【一歩踏み込んだ】内容にすべきである。
例えばラブレターの目的は【自分の想いを伝える】という目的がある。
これよりも一歩踏み込んだ目的は【相手にもこの人が好きと思ってもらえる】という目的になる。
相手に思い通りの行動をしてもらえるように一所懸命に考えることが重要。
・「読む人の反応を決める」
読む人の反応を【予測ではなく】脚本家のように【決める】こと、反応が決まるとおのずと書く内容が明確になる。
「なるほど」と思える文章は「なるほど」と思ってもらえるように書いている。
伝わる文章を「速く」書こう
・「情熱」で書いて「冷静」で直す
ラブレターを書くように【情熱】で全体を一気に書く。時間をおいてから【冷静】に手直しする。絶妙な匙加減でパワフルな文章とマイルドな文章を合わせることができる。
・一気に書き上げる
【時間を決めて書く】本来15分で書ける文章も時間が30分あると結局30分かけてしまう。
一気に文章を書き上げる→磨き上げる(推敲・校正)のプロセスが身につくと早く書けるだけでなく、伝わる文章になりやすい。
・推敲見直しで文章の質を高める
誤字・脱字・情報の過不足・言い回し・論理性・読みやすさ・文法などをチェック。
【書き手目線】から【読み手目線】に頭を変えることが重要で、時間を置く・印刷する・フォントを変えるなど書いた文章を自己満足にさせない工夫をして、推敲見直しをするとよい。
「簡潔に」書こう
・一文一義を心がける
一つの文章の中に一つの事柄だけを書くべき、簡潔な文章になり読み手に負担をかけなくなる。
・結論をはっきり冒頭で書く
【くどい言い回し】【結論の出し惜しみ】【もったいぶった表現】をしてはいけない。
書き手が悦に入ってはいけない。
・同じ文章(言葉)を立て続けに繰り返さない
同じ単語が何度も出てくる場合はくどいので、「両者」「彼ら」など同じ意味の単語の言い換えをする。ただし無理に通すものではなく違和感を生むなら言い換えない方がよい
単語だけでなく「~こと」「~もの」「~の、~の」「~は、~は」「~です。~です。」の連続使用にも注意。
「分かりやすく」書こう
・文章の順、配置を工夫すること
意味ごとにまとめること。文章の並びが【A1】→【B1】→【A2】→【B2】となる文章だとしたら。【A1】→【A2】→【B1】→【B2】の流れにすべき。
・あいまいな表現を避ける
あいまいな表現が多い読み手にとってわかりにくい文章になりがち、「大きい」「高い」「長い」「速い」「多少」「けっこう」は使わず、具体的な数字を出せるとよい。
「正しく」文章を書こう
・主語と述語を正しくつかう
主語述語を正しく対応させる。「●●が○○した」がちゃんと成り立っていること。
わかりやすくするためにも、できるだけ主語と述語は近づける。
・表現に気を付ける
【二重敬語】【二重否定】【二重表現】【呼応表現】を正しくつかう。
◎ダメな二重敬語 「ご覧になられる」「お見えになられる」
◎ダメな二重否定 「ないわけではない」「ないとも限らない」
◎ダメな二重表現 「頭痛が痛い」「返事を返す」「雪辱を晴らす」
◎呼応表現 「なぜなら~から」※「なぜなら」を入れたなら「~から」は必ず入れる。
「読みたくなる」文章を書こう
・専門用語、難解な言葉を避ける。
書き手が【当たり前】に使っている言葉が、読み手にとって【当たり前でない】ことはよくあります。
英語の頭文字の単語(SEOとかTPOとか)、ビジネス用語(シナジーとかエビデンス)は時と場所を見極めて使うとよい。
・抽象と具体を同時に盛り込む
文中に具体と抽象を盛り込むことで説得力が生まれる。
以下のようなテンプレートを覚えておくといろいろな場面で使える。
◎具体的な内容の文→つまり→抽象的な内容の文
◎抽象的な内容の文→例えば→具体的な内容の文
・快適な見た目を追求する
【文字装飾に工夫を凝らす】【レイアウトデザインをする】つまりは文章の見た目にこだわることはとても重要。
改行、空行、強調表現を活用して【強弱をしっかりつける】こと。
「メール」「SNS」対策をしよう
・メール対策
素っ気ない文章でなく、相手への配慮・気遣いがとにかく大事。
【命令調】→【お願い調】にするなど
「ご回答ください。」→「ご回答いただけると幸いです。」
「ご連絡ください。」→「ご連絡いただけると助かります。」
・SNS対策 読まれるタイトル・切り口の工夫
SNS上では記事のタイトルが冴えなくては読んでもらえない。「それどういうこと?」「そんなことあるの?」と興味を引くもの、知識欲をくすぐるものが読んでもらえる。
書き出しの文章に興味を持ってもらえなければ、その続きを読んでもらえない。書き出し(切り口の)工夫をすることが大事。
興味深い切り口は常識や一般論から少しずれた考えを書くことで、生まれやすくなります。
例えば 「私は熱が出ると密かにガッツポーズをします。なぜなら39度まで熱が上がるとがん細胞が死滅するからです!」
正しいこと以上に【書き手が何を考えているか】が読み手の興味を引きます。